女性の抱える様々な不調、例えば冷え性や生理前の憂うつやイライラ。
最近は、男性でも冷え性の人も増えて来たとは聞くけれど、女性の特有の症状ともいえると思います。
冷え性の原因として言われているのが、自律神経の乱れです。
そして、自律神経は女性ホルモンとの関係性が非常に深いのです。
この記事では、自律神経とは、そもそも何かということ、女性ホルモンとの関係、乱れた場合に起こること、そして大切な自律神経を整える方法(呼吸法、漢方、アロマ、食事)をご紹介します。
目次
自律神経とは
自律神経とは自分の意思ではコントロールすることができない神経です。
ですが、その働きは24時間体制で、胃腸の働きや心臓の拍動や代謝や体温の調整など、私たちが生きていくためには欠かせない機能を担っています。
あなたも聞いたことがあると思いますが、自律神経は、次の二つの神経で構成されています。
- 交感神経 体がアクティブに動いているときに働いている神経
- 副交感神経 体がリラックス状態のときに働いている神経
そして、交感神経と副交感神経の理想的な関係は、どちらかが「やや優位にいる」ことだといわれています。
完全にどちらかの神経がオフになっている状態などないということですね。
理想的な関係は、両方が同じような高いレベルで働いていて、活動状態の時は交感神経が「やや優位」に、リラックス状態では副交感神経が「やや優位」になる形。それが、心身ともに充実した、最も健康な状態です。「老化を招く自律神経の乱れ」サントリー健康情報レポート
女性ホルモンとの関係
女性ホルモンと自律神経は密接な関係があります。
女性ホルモンのバランスが不安定になると、つられて自律神経のバランスも不安定になってしまいます。
自律神経は、大脳の視床下部でコントロールされています。その視床下部のコントロールにより、脳下垂体からホルモンが分泌されています。
そのため、私たちが感じるストレスは、脳にも影響を与えていて、結果ホルモンの分泌に影響することになるのです。
ホルモンと自律神経は相互に作用し、影響し合っているものだと言えます。
自律神経が乱れる原因とは
以下のことが自律神経が乱れる原因と言われています。
- 人間関係での悩み
- 仕事でのプレッシャー
- 無理なダイエットなどの偏った食事
- 睡眠不足・昼夜逆転の生活
- 環境(物理的なもの)
確かに、眠りたいのに眠れない状態、リラックスしようとしても嫌なことで心がざわついている状態、絶えず仕事をしている状態、そのときは、交感神経が優位に立っている状態だと思います。
そういう状態がずっと続いてしまうと、自律神経の乱れが生じてしまいますよね。

自律神経が乱れるとどういうことが起こるの?
自律神経のバランスが崩れると、以下のような症状が見られると言われています。
- ほてり
- 便秘
- 気分の激しい変動
- 疲れやすい
- 動悸
- 冷え
- 肩こり
- めまい
- 不眠など
確かに、胃腸や心臓の動き、体温調節などを正常に保つ働きを担う自律神経が乱れると、カラダの正常な動きも可能でなくなってしまうというのは、よく考えて見たら想像がつきますね。
なお、上記の症状は「まだ病院行かなくても大丈夫かな?」とも判断してしまいかねないと思うのですが、進行すると、このような疾患の原因になってしまうことも。
- 自律神経失調症
- 神経性胃炎
- 過敏性腸症候群
- メニエール病
- 過呼吸症候群
早めに専門機関などで相談してみることをお勧めします。
自律神経を整える方法
自律神経は、とても大事な神経ではあるけれど、自分の意思ではコントロールできないもの。
でも、女性ホルモンとも密接な関わりがあるし、女性ホルモンも乱れてしまうと、美容にも健康にもいいことは一つもありません。
だからこそ、女性は特に自律神経の乱れに敏感であること、乱れたら整えることを意識することが大事だと思うのです。
ここから、自律神経を整える方法をいくつか紹介していきます。
呼吸法で自律神経を整える
自律神経は無意識で働く神経ですが、その自律神経を意識して呼吸をすることでコントロールすることができます。
呼吸をすることで副交感神経を優位にして、リラックス状態に持っていくために、呼吸の際に意識したいのは「腹式呼吸」です。
また、そのときに意識すべきは「吐く息」となります。
息を吐ききって、新鮮な空気を取り入れること。
東洋医学でも呼吸でカラダに取り入れる息は、「気(エネルギー)」のひとつ。
気はカラダを温める作用もありますし、血の巡り、水の巡りをよくするためには欠かせないものです。
<参考リンク>東洋医学の体質診断で体質改善!有効な漢方薬・お茶・ツボ・食べ物・レシピをご紹介
寝る前やリラックスしたいときに、呼吸を意識しながらヨガをするのもオススメです。
アロマで自律神経を整える
香りを取り入れることは、東洋医学でも「医香同源(いこうどうげん)」と言葉があるくらい、不調に働きかけるひとつの方法です。
取り入れた香りは、大脳の視床下部へ働きかけます。
それにより副交感神経が優位になり、リラックスすることができます。
あまり香りが強すぎても良くないようです。ほのかに香る程度の香りを楽しみましょう。
特にお勧めなのは、次の精油です。
ゼラニウム
スキンケア効果もあり、心身のバランスを回復するのにも効果的
クラリセージ
植物ホルモンと呼ばれる、「スクラレオール」という成分が含まれているクラリセージ。
スクラレオールは女性ホルモンのエストロゲンに似た働きをします。
女性特有のプチ不調には効果的であると言えます。
ラベンダー
リラックス効果抜群。
気の巡りを良くしてくれ、頭痛、肩こりなどに効果的
ジュニパー
水の巡りを良くしてくれます。
デトックス効果あり
次のアロマは、緊張や不安を解いてストレスを軽減してくれる、鎮静効果のあるアロマです。
ローマンカモミール
マジョラム
ネロリ

漢方で自律神経を整える
漢方の観点で見ると、自律神経の乱れは気の乱れと考えられます。
こちらで紹介している「気虚」「気滞」の症状です。
代表的な漢方薬は次のものになりますが、一番良いのは漢方薬局で細かく現在の状況を説明した上で、漢方薬を処方してもらうことです。
加味逍遙散(かみしょうようさん)鬱っぽい症状、ストレスを抱えた状態のとき、気の巡りを良くする
桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)頭痛、肩こり、冷え、血の巡りを良くする
柴胡桂枝乾姜湯(さいこけいしかんきょうとう)冷え性、動悸、ストレスによる不安感など
加味帰脾湯(かみきひとう)心身ともに疲労している、不眠、貧血、ストレスを抱えているとき
桂枝加竜骨牡蠣湯(けいしかりゅうじょつぼれいとう)眠いのに眠れないくらい神経が高ぶっているとき、ストレスを抱えているときに効果的。安定させる作用あり
四逆散(しぎゃくさん)不安感、不眠や胃痛などあるときに効果的
十全大補湯(じゅうぜんだいほとう)手足の冷え、貧血、エネルギー低下による食欲不振や倦怠感があるときに効果的
女神散(にょしんさん)名前からも女性の症状に効果的なのがわかりますよね。月経トラブルに効果的。気の巡りを良くしてくれる漢方
半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)のどに違和感を感じるとき、イライラが溜まっているとき、いわゆる気滞状態のときに効果的
食べ物で自律神経を整える
次が大事なポイントになります。
- 元気をつける食べ物を取り入れて、エネルギーを回復する
- 香りの良い食べ物を取り入れて、気の巡りを良くする
- 体を温めてくれる食べ物を取り入れる
元気をつけてくれる食べ物の代表格は、お米をはじめとする穀類です。
白米で食べるのに抵抗を感じる人もいますよね。そんな時は、雑穀を入れてよく噛んで食べましょう。
もち米は、温め効果もあるのでオススメです。
また、豆類や芋類も積極的にとってください。
もちろん、お肉やお魚もオススメです。
取り込んだ元気の素を、香りでもって巡らせるのもとても大事です。
香りの良い食べ物の代表格は、セロリやパクチー、大葉やニラ、生姜やにんにくなど。
また、ミントやフェンネルなどのハーブもオススメです。
みかんやグレープフルーツなどの柑橘類も積極的にとって、ハーブティーなどの香りの良いドリンクや食べ物でリラックス気分を存分に味わってください。

温め効果の最強タッグ
自律神経が乱れると、カラダの体温調節機能がうまく働かなくなってしまうのが冷えを感じる原因。
そんなときは、生姜と柑橘の組み合わせは最強だと言われています。

生姜には、「ジンゲロール」という末梢血管を広げる効果のある成分とカラダを芯から温める「ショウガオール」という成分が含まれています。
そのため、生姜を摂るとすぐカラダが温まり、その温め効果は長く続くと言われています。
一方、柑橘類には「リモネン」という成分が含まれていて、リモネンは、温め効果もあり、交感神経を活性化させてくれる効果があります。
交感神経は活動を担う神経、倦怠感があって、活動的になれないとき、冷えが辛くて動きたくないときなど、効果を発揮してくれます。
柑橘と生姜のレシピ
まとめ
どうでしたか?
自律神経は私たち自身ではコントロールできないものではありますが、カラダの中で大事な働きをしていて、自律神経の乱れによって、女性ホルモンも乱れてしまい、様々なプチ不調を引き起こしてしまいます。
女性ホルモンとも密接な関係性があることも理解いただけたと思うのですが、最近では女性も社会で活躍する上で、いろんなプレッシャーにさらされたり、残業によってしっかり睡眠が取れないなど、自律神経の乱れが簡単におきてしまうような環境にいるのも事実です。
呼吸法を意識したり、毎日の生活に食事やアロマを取り入れて、自律神経が乱れないように、日々カラダとココロのバランスの変化に敏感になっておきたいですね。
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