英語では、主に”Keto Diet”と呼ばれている「ケトジェニックダイエット(ケトン食ダイエット)」は、ITの聖地としても知られるシリコンバレーでも火がつき、キム・ガーダシアンやハル・ベリーなどのセレブも取り組んでいるダイエット法のことです。
今までのダイエットでは、脂肪分は「ダイエットの敵」だと言われていましたよね。
脂肪分を摂ることで体重が減るなんて、にわかに信じられない!って思う人も多いと思います。
ケトン食を用いたダイエットは、もともとは、100年ほど前から、てんかん治療に用いられていた食事法でした。
そして、現在は2型糖尿病の治療や食事制限にも用いられています。
今回は「カロリーを気にせずに食べて痩せるダイエット法」と言われている「ケトジェニックダイエット」について、調べて見ました!
目次
ケトジェネシスとケトン体
”私たちのカラダがどうやってエネルギーを得ているのか?”ということに着目してみると、はじめに言えるのは、「血糖(ブドウ糖)」のはたらきによるものではないでしょうか?
血糖(ブドウ糖)は、おもにお米やパンなどの炭水化物から摂取できます。

血糖値が下がると、カラダに危険さえ及ぶといわれています。
ただし、カラダに貯蔵できる血糖(ブドウ糖)の量には限りがあるそうです。
例えば、炭水化物を全く摂取しないでしばらく生活するとします。
そうすると、体内のブドウ糖は、数日で尽きてしまうのです。
ただ、カラダのメカニズムというものは面白いもので、体内の血糖(ブドウ糖)が尽きても、”別の方法”でわたしたちは活動することができるのです。
その”別の方法”というのが、「ケトジェネシス」によるものです。
ケトジェネシスでは、肝臓で脂肪を”有効なエネルギー”に変えます。
その”有効なエネルギー”を、「ケトン体」と呼びます。
ケトン体が、体内のブドウ糖が尽きると、ブドウ糖の役割を代わりに担うということです。
従来、脳の働きにはブドウ糖が不可欠と言われていましたが、ケトン体においては、脳の働きにも有効だと言われています。
では、このケトジェネシスが、ダイエットにどのように働くのか、かんたんにまとめると次のようになります。
- 炭水化物の量を減らす
- 良い脂肪分の消費を増やす
- ブドウ糖の代わりに脂肪燃焼をせざるを得ない状態になり、ケトン体が生成される
- 血中のケトン体の量が、ある一定の量に達したとき、カラダが「ケトーシス」の状態になる
- ケトーシスの状態は、健康的でかつ適切な体重になるまで続く
ケトジェネシスになり、ケトン体がブドウ糖の代わりとなって働くことを「ケトーシス」と言います。ケトーシスになることで、カラダが脂肪を燃焼し始めるのです。
ケトジェニックダイエットの方法

まず、ざっくり言ってしまうと、こうなります。
- 高脂肪のものを摂る
- たんぱく質は控えめにする
- 炭水化物の摂取を抑える
具体的な数値にすると、1日の食事を以下の割合とすることが適切と言われています。
- 脂質(70%から80%)
- たんぱく質(15%から20%)
- 炭水化物(約5%)
炭水化物は、50グラム以下とし、脂質の80パーセントは、「良い脂肪分」を含む食材から摂取します。
では、どんな食材がよいのか?ということについて、これからお話しますね!
食材リスト⑴「食べて良いもの」
積極的にとって良い食材をご紹介します。

良い脂肪分を含む食材、たんぱく質を含む食材、でんぷん質が含まれない野菜です。
脂質(良い脂肪分)を含む食材
脂質は、エネルギーの元となり、空腹を抑えて、元気を保ってくれます。
「良い脂肪分」は、不飽和脂肪酸、一価不飽和脂肪酸、多価不飽和脂肪酸、特にオメガ脂肪酸を含む食材から摂取できます。
代表的な食材を紹介します!
- アボカド
アボカドは、一価不飽和脂肪酸とビタミンEが豊富です。
- バターとギー
バターには、多価脂肪酸のオメガ6とオメガ3脂肪酸が含まれています。この2つの脂肪酸は脳の機能を正常にすることや、肌の調子を整える働きなどがあります。この2つの脂肪酸は、体内で生成されず、食材からしか得られません。一方で、ギーというのは、インド版のバターです。ギーはビタミンA、ビタミンD、ビタミンEが豊富です。抗酸化作用が強く、免疫力アップにも効果的で、さらに消化や代謝をスムースにさせる効果があると言われています。
また、バターとの違いとしては、乳糖もカゼインも不使用なので、乳糖の摂取にトラブルがある場合は、ギーはおすすめです。*関連記事:植物性ミルクの可能性を知る!ナッツミルクやライスミルクの効果やレシピ・作り方をご紹介!
- ココナッツオイル
中鎖脂肪酸が豊富なので、消化しやすく、効率的にエネルギーに変わります。
- エクストラバージンオリーブオイル
一価不飽和脂肪酸の値がとても高いオリーブオイルは、細胞のダメージを防ぐ効果もあります。
*「エクストラバージン」のオイルを見つけるのは、実はなかなか難しいです。
- MCTオイル
MCTオイルは、中佐脂肪酸100%のオイルです。ダイエット効果が非常に高いオイルとして注目されています。
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ナッツや植物のタネ
マカダミアナッツやアーモンド・くるみ・フラックスシード(アマニ)・チアシードは特におすすめです。オメガ3脂肪酸である、ALAが豊富です。悪玉コレステロールの値を下げる効果があります。
たんぱく質
- サーモンやいわしなどのオメガ3脂肪酸の含まれる魚
- 卵
- 牛肉
*薦められているのは、オーガニック認定を受けた、グラスフェッド(牧草で育った牛)の肉です
珍しいオーガニック認定!100%グラスフェッドビーフ!極厚切りリブロース!ビーフ本来の美味しさをナチュラルな旨味あふれる最高峰部位リブロースで!成長ホルモン剤ステロイド等一切不使用【約400g】
- レバー
でんぷん質の含まれない野菜
- ブロッコリーをはじめとするアブラナ科の野菜
- 葉物野菜
- ほうれん草
- ズッキーニ
- アスパラガス
- きゅうり
- ネギ類
- たけのこ
- グリーンピース
- ラディッシュ
- トマト
- スプラウト
- 新鮮なハーブなど
- 水・甘味料の入っていないコーヒーやお茶
食材リスト⑵「食べても良いもの、ただし摂りすぎに気をつけるもの」
- ブルーベリーラズベリーなどの炭水化物の量が少ないフルーツ
- 牛乳を除く脂肪分の高い乳製品
- チーズ
- でんぷん質の量が中くらいの野菜(豆、人参など)
- 大豆製品
- 豆類
- 野菜ジュース・甘味料が入っていないココナッツミルクやナッツミルク・レモンやライムの果汁の入った水
食材リスト⑶「摂ってはいけないもの」
- 砂糖(ハチミツやメープルシロップ、アガベシロップなども含む)
- 人工甘味料
- 芋やコーンなどのでんぷん・炭水化物が多く含まれる野菜
- キャノーラ油やコーン油などの生成された脂肪分
- 牛乳
- 低脂肪の乳製品
- お米・穀類
- 加工された食材
- アルコール
- 炭酸・ジュース・アルコール・甘味料の入った飲み物
ケトン食レシピ
ケトジェネシスダイエットで摂ることができる食材を使った「ケトン食」のレシピを海外のウェブサイトからピックアップしました!
Photo by Jeff Sheldon on Unsplash
ココナッツオイルマヨネーズ
卵黄 2個分(室温に戻しておく)
マスタード 小さじ1
レモン果汁 小さじ2
オリーブオイル 半カップ
溶かしたココナッツオイル 4分の3カップ
塩 ひとつまみ
黒胡椒 少々
- ブレンダーに卵黄、マスタード、レモン果汁を半量入れて、低速の設定で混ぜます
- ココナッツオイルとオリーブオイルを少しずつ入れます
- しっかり混ざったら残りのレモン果汁を入れます
- 塩と黒胡椒で味を調節します
- 容器に入れて、冷蔵庫で保存します
ほうれん草のキッシュ
ココナッツオイル 大さじ1
みじん切りにした玉ねぎ 1個
冷凍ほうれん草 1袋 (茹でたほうれん草 の方が良いと個人的に思います。量は適量で)
混ぜた卵 8個分
ローチーズ 3カップ分
塩 小さじ4分の1
黒胡椒 適量
- オーブンを350度で予熱しておきます。
- パイ型にココナッツオイルを塗っておきます。
- フライパンにココナッツオイルを入れて熱し、玉ねぎが柔らかくなるまで中火で炒め、ほうれん草を加え、余分な水分がなくなるまで炒めます。
- ボウルに卵、チーズ、塩と胡椒を入れて混ぜます。そこに3を入れて混ぜます
- 4をパイ型に入れて、30分間焼きます。
注意点とデメリット
ケトジェニックダイエット中は、水分摂取に気をつける必要があります。
炭水化物の量を減らすことで、水分と結合する性質を持つグリコーゲンが枯渇してしまうからです。

また、いくらカロリーは気にしなくてもよいとはいえ、ある程度は意識した方がよいでしょう。
やはり、どんなダイエットでも副作用やデメリットはあります。
炭水化物の量を減らすことで、空腹になりやすく、食事前にイライラしてしまう人もいるようです。また、運動が習慣になっている人は、従来と同じようなパフォーマンスができないという声もあります。
ケトジェニックダイエットの副作用として報告されているのは、口臭や頭痛、吐き気、また急な血糖値な低下による疲労感です。
また、このダイエット法は、長期間のダイエット法には向かないと言われています。
あと、食材にこだわる必要があるので、出費も気になりますよね。
ケトジェネシスダイエットと糖質制限ダイエットの違いとは
糖質制限ダイエットには、炭水化物の量を少し減らすものや、ご飯やパンなどの炭水化物を全く食べないものなど、さまざまなバリエーションがあります。
糖質制限ダイエットでは、摂取する「たんぱく質」に考慮しますが、ケトジェネシスダイエットでは、あくまでも考慮するのは「脂質を積極的に摂る」という点が大きな違いだと考えます。
*関連記事:ダイエット中のおやつにもピッタリ!「ギルトフリー」スイーツレシピで間食を♪
まとめ
いかがでしたか?「ケトン食」を使った「ケトジェニックダイエット」について、お話しました。
ケトーシスによって、どのようにしてダイエットに効果がもたらされるのか、ケトン食の食材リスト、レシピについてご紹介しました。
また、他のダイエット法と同じく、デメリットや副作用があるというの事実です。
日本と海外では、食のバリエーションも異なるので、日本で厳密に取り組もうとすると出費の面も気になりますが、食材リストでご紹介した食材を毎日の食事に取り込んでみるなど、少しずつ取り組んでみても良いのかなと思います。
個人的に、東洋医学を学んだものとしては、元気をつける(気をおぎなう)ご飯や穀類の量を極端に制限するというのは、気がかりな点も多いのですが、短期間集中のダイエット法としてみるのであれば、試す価値もあるかもしれませんね!